小泉は渋い顔して言った。
「失敗したんだ。
俺の技術じゃ、全く歯が立たなかった」
「ハハッ 室長でも無理なことがあるんすねー。
心配入りません、室長には捨て石になってもらいます。
そっちのPCに、俺の作ったウイルスプログラムを送ります。
コードを少しずつ変えながら、何百というウイルスで攻撃して下さい。
一度に方々から攻撃すれば、防御システムに隙間が生まれます。
その隙間を、俺がぶち抜いてやります」
芹沢は喋りながらも、手は休めなかった。
3台のパソコン画面には、常人には理解不能なアルファベットや数列が並んでいる。
小泉も、芹沢に言われた作業を始めた。
真夜中の対策室。
外の雨足は弱まり、静かな室内に、二人のキータッチの音だけが響いていた。


