「参ったなぁ、裏の世界から足を洗ったばかりなのに。
まさか警視庁内で、ハッキングさせられるとは思いませんでしたよ。
海外サーバーを千は経由させますが、万が一バレたら、責任取って下さいね」
芹沢は楽しそうだった。
水を得た魚のように、生き生きして見えた。
長袖トレーナーを肘まで捲り、デスクトップのパソコンの横に2台のノートパソコンを準備する。
3台のパソコンを巧みに操り、警視庁のデータベースに侵入を開始した。
それから30分、
無言だった芹沢が口を開いた。
「中々手強い…
できなくはないけど、このままじゃ夜が明ける…
室長も手伝って下さいよ」
「何をだ?」
「ハッキング。初歩技術はあるんでしょ?
この事件のファイルに、一時間前、誰かが仕掛けた痕跡が残っていますよ。
俺を呼ぶ前に、自分でやろうとしていたんでしょ?」
芹沢の言う通りだった。
小泉は今まで自分でやろうとしていた。
だが、出来なかった。
防御システムに弾かれてしまった。
その分野のスペシャリストじゃない限り、潜り込めないと悟っただけだった。


