小泉は、画面上の桜庭壮助の写真をじっと見た。
下がり眉に、少し垂れた目元、
その顔に見覚えがあった。
10年前、背中に大火傷を負い入院していた時、
桜庭壮助は小泉を見舞い、謝罪したのだ。
名前は名乗らなかった。
警察官だと言っただけで、公安の警視長だということも明かさなかった。
ただ、事件を未然に防げず、君を負傷させ両親を死なせてしまったと、
頭を下げて帰ったのだ。
あの時の小泉が思ったのは、刑事に似合わぬ優しい目をした男だという印象だった。
あの人が桜庭壮助、うららの養父だったのかと、小泉は幾らか驚いていた。
桜庭壮助が、3年前の8月に心筋梗塞で死去したことも書いてあった。
3年前は…
杉村がSMRを去り、交番勤務に変えた年だ。
それは9月のこと。
桜庭壮助が死去した翌月に、杉村がうららの近くに移動した。
それも、偶然ではないのだろう。


