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翌日、外は秋雨が降っていた。
小泉は午前中、ひき逃げ死亡事故の現場検証に立ち会い、
部下を残して、昼前に自分だけSMR対策室に戻って来た。
デスクに向かい、厳しい顔して見ているのは、桜庭うららの戸籍謄本だ。
勝手に閲覧申請書を作成し、警察権限で入手した物だ。
うららの戸籍謄本には、おかしな点が幾つもあった。
養父母の名前は書かれていても、実父母の名前は“不明”となっている。
普通ではないが、それは有り得ることではある。
生まれてすぐにどこかに置き去りにされていた場合、そういうこともある。
小泉が引っ掛かる点は日付だった。
養父、桜庭壮助
養母、桜庭梢
二人の下に養子に入ったのは、10年前の12月19日。
それは、爆弾テロ事件の一週間後の日付だった。
12月19日という日付は、他にも見られた。
戸籍が作られた日付も、
10年前の12月19日。
誕生日は、18年前の同日だ。


