杉村に動揺は見られない。
隙もない。
刑事を辞めても、まだまだ小泉が落とせるような相手ではなかった。
今度は杉村の番だ。
ビールを飲み、餃子を食べながら聞く。
「お前、今日おにぎり屋に行ったんだってな。
お前こそどうした?
うららに気があるのか?」
冗談めかした言い方。
口元は笑っているが、目は笑っていない。
小泉も同じように、口元だけで笑って見せた。
「気があります、物凄く。
頭から、あの娘の顔が離れないほどに。
桜庭うららを調べます。
杉村警部のことも。
なぜそこまでして、あの娘の側にいるのか…
自己啓発セミナーに、偽名で参加するのは何故か…
気になることだらけです」


