目の前には、瓶ビールが置かれた。
小泉はまだ仕事があるので、杉村のグラスにだけビールを注いだ。
コーンとバターが乗った味噌ラーメンと、
香ばしい焼き目のついた、餃子が5皿並んだ。
杉村は勢いよく麺を啜る。
熱さもいとわず、音を立て大胆に、実に旨そうに食べる。
「うまい!ラーメンはやっぱり、大将軒の味噌に限るな!」
杉村の顔が、湯気で霞んで見えた。
ビールを飲み、ラーメンを啜り、餃子を頬張る。
一方小泉は、割り箸も割っていなかった。
「食え、のびるぞ」
そう言われてから、やっと食べ出す。
食べながらも、気は緩めない。
相手は杉村だ。
どうやって切りだそうかと考えていた。
「杉村警部…
あなたは、ここのラーメンばかり食べている人でした…」
「ああ、そうだな」
「それが今は… 毎日おにぎりばかり食べている。
好みが変わったのですか?
それとも… 何か事情が?」
「おにぎりも、前から好物だ」


