正式名称“冤罪防止対策室”が固いし長すぎると言って、
彼は通称を勝手に決めた。
対策室のドアには、今でも杉村の文字で、SMRと書いた紙が貼られている。
当初は刑事部内で馬鹿にされることもあったが、
今ではSMRの名を笑う者はいない。
その活躍は、時には賞賛され、時には疎まれ、
馬鹿にできる物では、なくなっているからだ。
小泉は大将軒の暖簾をくぐる。
「へい、らっしゃい!」
と、久しぶりの店主の声で迎えられた。
店内はカウンター全席が埋まり、座卓も一つを残して全て埋まっている。
唯一空いている座卓には、予約の札が置いてあった。
忙しい店主が、麺の湯切りをしながら、小泉に話しかける。
「お前さんも久しぶりだなぁ。3年振りくらいか?
予約席に座ってくんな。
杉さんも、その内来るだろうよ」


