気に入らないことを言ってしまったのか…
少女を無表情だと言ったことで、怒らせてしまったのか…
そんな気持ちで、おどおどしていた。
小泉は、体全体をうららに向けた。
チラリと携帯画面に目を落とし、鋭い目でうららを見た。
それから…
うららに手を伸ばす。
傷跡の残る左手で、彼女の髪に触れる。
うららは驚き、されるがままでいた。
前髪が左に流され、額をあらわにされる。
うららの額の右端、髪の生え際近くには、ホクロがあった。
小さな三日月の、変わったホクロだ。
それを確認して、小泉は眉間にシワを寄せた。
二人の後ろで、電話の受話器が置かれる音がした。
うららの髪に触れていた小泉の手は、梢に叩き落とされた。


