「多分、違う」と、考えながらゆっくり答えた。
「多分?違うと言い切らないのか?」
小泉は切れ長の瞳を、少し狭めた。
“多分”と答えた理由を、うららはこう説明した。
自分は8歳の時、桜庭家に養女として貰われてきた。
記憶はないが、それ以前は養護施設で育ち、
施設時代の写真は持っていない。
ここに来てからも、写真は一枚も写していない。
梢が「写真に撮られると、寿命が縮む」と古臭いことを言うからだ。
「だから違うと思います。
記憶にない施設時代の写真としても…私っぽくない気が…
無表情な子ですね。
私ならカメラを向けられたら、絶対に笑うと思います」
うららの返事を聞いて、小泉は更に目を細めた。
睨むような視線に、うららはまごつく。


