それは“破壊の光”と名乗るカルト宗教団体だった。
教祖マハーカラ、
本名 湯傘隆重(ユガサタカシゲ)45歳は、
札幌を拠点として、道内に5つの宗教施設を持っていた。
信者は約300人。
破壊神シバを奉り上げ、
既存のシバ教とは別の、独自思想を説いていた。
当初、宗教法人として認められていたこの団体は、
強引な勧誘やお布施の強要、危険思想により、
宗教法人登録を抹消されたばかりだった。
教祖マハーカラは、それに激怒した。
世の中が自分を認めないのなら、全てを破壊し、
その跡に自分をトップとした理想郷を造る。
最終的にそのような考えにたどり着いた。
『破壊の神シバが怒る時、激しい炎が全てを焼き尽くす』
聖典に書かれた神話を、
この世に再現しようとしたのだ。