おにぎり屋本舗 うらら

 


ソファーの上で誰かが寝ている。

寝息も聞き取れた。



それが誰かはもう分かっているが、

小泉は胸ポケットからペンライトを取り出し、その人物に向けた。



急に眩しい光を当てられ、寝ているうららは「う〜ん」と唸った。



小泉は安堵の溜息を吐き出すと同時に、呆れ返った。


杉村達が必死に捜索している中、こいつはなぜ閉店したスナックで寝ているのかと。



小泉がうららの肩を揺する。



「おい、おにぎり屋」



うららは起きない。

小泉が何度呼びかけても、起きない。

唸りながら、寝相を変えるだけ。



小泉は声を荒げた。



「おにぎり屋!おい、おにぎり屋!
うらら!起きろっ!!」



「はいっ!」



名前を呼ばれ、うららはいい返事で起き上がった。


ぼんやりした頭と目で、辺りを見回す。



「あれ…?家じゃない。
ここ、どこ?」



そう言った後は、

「うっ…気持ち悪い…」

と、ソファーに突っ伏してしまった。