「え...え、え!?」

ポーカーフェイスを忘れた俺に残ったのは、素直な感情表現。

「嫌だなぁ。
友達なんだから当たり前でしょ」

それを聞いて落胆した俺に少し間をあけて、

「そんなこと言ったら?」

いたずらに、でも少し悲しそうに微笑んできた。

その時、俺の中で何かが変わった気がした。

「そんなこと言ったら、許さない」

珠梨には絶対見えないだろう木陰でそっと抱きしめ、囁く。

恵舞の心臓の鼓動が、俺にまで伝わってくる。

「う...そだ」

無理やり絞ったような声に、ますます強く抱きしめる。