「あ...珠梨、あんなことまで行ってるよ...」

いつの間にか存在を忘れていた珠梨は、恵舞の犬と奥の広場の方で遊んでいた。

「ふふ、珠梨ちゃんはまだ小さいから。
こんなこと、聞かなくていいの」

優しい顔をして、恵舞が言う。

「珠梨ちゃんに聞こえないだろうし、私、ずっと心にしまっといたこと言っちゃおうかな」

「ずっと?」

「そう、小さい頃、悠と出会った頃からずっと」

「え、そんなずっと?」

すごく疑問に思う俺から、恵舞は視線を外して、

「悠のこと、ずっと好きだから。
今でも、ずっと好き」

そんなことを言った。