振り返ると、

「っ...里奈!
どこ行ってたんだよ!」

とっさに手首をつかんで引き寄せる。

「仁、痛いよ。
私ずっとここにいたよ?」

「...え...?」

「仁、3階探してたんじゃないの?」

「あ...」

思い返せば、里奈と別れたのは2階だった。

「わりぃ...」

「いいよ。
それより悠くんは?」

「あ...いや...
先に、これ」

思わずごまかしてしまってオレンジジュースを渡す。

「ありがとう。
...悠くんと何かあったの?」