「里奈!里奈!!」

走って辺りを見回しながら呼びかける。

「里奈!...チッ...
あいつどこ行ったんだよ!」

客が異様な目で俺を見る。

「里奈!おい里奈!
いねぇのか!」

...返事はない。

本当に心配になってきて嫌な汗が額を伝う。

「里奈...
ほんとにどこ行ったんだよ....」

その場に座り込んだ時、

「あれ、仁?」

俺が大好きなあの可愛らしい声がした。