黙って聞いている俺に悠は続けた。

「ちゃんと言ってやってんだから何か言えよ!
俺だって平気じゃねーんだよ。
仁よっかずっと前から里奈ちゃんのこと好きなんだよ!!」

ふっと一息つくと、

「ほら、こうやって一人で喋ってると俺が嫉妬してるみたいに見える」

冷静さを取り戻したようにそう呟いた。

「ほら、早く行けよ!」

俺めがけてオレンジジュースを投げつける悠。

「...里奈ちゃん待ってんだろ。
里奈ちゃんが待ってるのは、俺じゃなくて...仁だ」

「...わりぃ」

やっとの思いで一言絞り出した俺に、

「もういいっつーの。
俺らダチだろ?
仁の性格、もう慣れたよ」

諦めたように笑った。