「...んなことわかってんだよ。
それで里奈が困ってんのもな。
だからお前がいて心配なんじゃねぇかよ。
里奈が悠の方に行くんじゃないかってな...」
思わずそんな弱気なことを言ってしまった俺に、悠は驚いた顔をした。
「...いいんじゃないの。
それで。
どーせ俺は叶わないって」
そう言いながら里奈の分のオレンジジュースを取り出す。
「俺は確かに里奈ちゃんのこと好きだよ?
でもさぁ、里奈ちゃんは俺のこと全然見てないんだよ。
いつだって仁のことばっかり。
今日だって魚以外は仁のことしか見てないし、2人きりになっても仁の話ばっかり」


