「仁がそんなだから私泣いてるの!
黙ってないでよ!
ちゃんと前みたいに優しくいてよ!
お前じゃなくて、里奈って言ってよ!!」

やっと立ち止まってくれた仁。

「お前...じゃなくて、里奈。
...本気で言ってんの?」

「本気じゃなくて
なんでこんなこと言うよ...
仁が好きすぎて困ってんじゃん!!」

「おい、ちょっとこっちこい」

突然私の手を掴むと、肩を掴んで壁に押し付けた。

「おい、本気かよ」

「ほ...ほ?
え?あ...仁...?どうしたの...?」

「聞いてんだよ!!」

「じ...んのこと...好きだよ」

「...ほんと、勘弁してくれよ...」

そう言って、私の肩にストンと頭をあずけた。