「悪いんだけど、今日の日本史のノート見せてくれない？俺ちょっと板書で写し忘れたところがあってさ」


「あっ、うん。いいよ」


私は鞄に入れていた日本史のノートを取り出し、少しでも好きな人の役に立てるのならと、特に何も思わず「はい」とノートを永瀬くんに渡した。


「ありがと。助かる」


永瀬くんはノートを開き、パラパラとページをめくる。


「やっぱ相原の字は丁寧で、見やすいな」


「そっ、そうかな？」