「きゃああああっ!」

「なんて声を出すんですか。さあ、名前を教えておくれ」


くるりと体を返され、至近距離で顔をのぞきこまれる。


すると、伊東さんはキラキラした目を余計に輝かせ、頬を薄紅色に染めた。


「な、なんという美童……!キミも隊士なのかい?」


し、しまったぁぁぁ!


これからこの人たちの周りを調査しなきゃいけないのに、しっかり顔を見られちゃった!


「あ、あの、近いです!」

「それでは質問に答えていないね」

「ひいいいい、離してください~!!」


男装でいるあたしが、もう本物の美丈夫にしか見えていないんだろう。


伊東先生はうっとりとこちらを見つめている。


何故かわからないけど、ものすごく怖い……沖田、副長、笑ってごめん!!


「……小娘……」


早速姿を見られたあたしを、副長が伊東さんの肩越しににらんでいる。


そして、もっと鬼のような顔をしていたのはもちろん……。


「……ぶっ殺す」


低くうなった、総司だった。