そうそう、平助くんが出かけた少し後に、局長とあと何人かも江戸に出張してたんだよね。
新撰組はもっと隊士を増やして、大きくなる予定。
それだけ幕府に期待されてるってことかな。
「どんな人なんだい?」
「伊東大蔵という名だそうです。
北辰一刀流をおさめているそうで……」
「伊東さんが!」
山南先生は驚いた顔をした。
「お知り合いなんですか?」
「一刀流繋がりで、会ったことがあるよ。
文武両道のすごい人だ。
おまけに、美男子」
「へえ~」
最後はあんまり興味はないけど……。
山南先生と気が合いそう……なのかな。
議論仲間になれたら、山南先生ももっと生活にハリが出るかも。
他の幹部ときたら、相変わらずいい加減で下ネタばっかりだからなぁ。
あたしは密かに、伊東さんに期待をしていた。
のだけど……。