少し乱暴だったそれは、徐々に優しくなる。


力が抜けていくあたしの唇を包み、忍び込むと、舌を絡ませた。


「は、ぁ、総司……」


唇が離れた途端、非難の声が漏れる。


「こんなじんゃ、足りないよ……」


血の代わりに唾液が体内に入るかもしれないけど、そんな極少量で効くのか怪しい。

そういう意味で言ったのに、総司は変な風に解釈してしまったみたい。


「そうかそうか、よし、気分が良くなったことだし、久しぶりに可愛がってやるか」


からかうように笑いながら、あたしの帯に手をかけようとする。


「ちょ、違うし!」

「何がだよ」

「ダメ!おとなしく血を飲むまで、おさわり禁止!」


べしっとおでこを叩いてやると、総司は諦めたようにため息をつく。


「なんだよそれ……そんなこと言われたら、飲むしかねえじゃねえか」


総司は起き上がって頭をかく。

あたしもその布団から起きて、彼の前に座った。