「もうやめろ、総司!」
永倉先生が、総司を後ろから羽交い絞めにする。
敵の下半身は、もうとっくにヘビから人間のものへ戻っていた。
それでも総司は永倉先生の腕から逃れようともがく。
こと切れた敵の体をいたぶろうとしているように見えて、背筋が震えた。
そんな姿を見るのは、池田屋以来だったから。
「総司、もう終わったんだ!戻れ!」
原田先生が、永倉先生が抑えた総司の体に、ぐるりと伸ばした槍を巻き付けた。
そのとき。
「……うっ、が、あ……」
総司の動きが突然止まったかと思うと、彼は目を見開き、自分の胸を抑える。
狼の牙や耳が消えていき、瞳の色が黒く戻り始めた。
「え?まだ何もしてないんだが……」
原田先生が困惑した顔で、総司の体から槍を離す。
すると、総司は苦しそうに目を閉じ、荒い息を繰り返しながら、膝から地面に倒れてしまった。



