「あ、はは、ヘマしちゃった……」
平助くんは倒れたまま、力なく笑う。
その顔はみるみるうちに土気色に変わっていく。
ああ、見たことがある。
これは……陽炎と一緒だ。
死にゆく者の顔だ。
「諦めるな!」
ぶわりと涙が浮かんで視界を曇らせたあたしに、厳しい声が飛ぶ。
顔を上げると、斉藤先生が護符を手に、隣に座り込んだ。
「しっかりしろ、藤堂!」
彼が真言を唱えると、何枚もの護符が平助くんの傷をふさぐように張り付いた。
ふっという息と共に吐きだされた斉藤先生の霊力が、護符を通じて平助くんに流れ込む。
「これで傷がふさがるんですか?」
「わからん。けれど、肉体を霊力で活性化すれば、なんとかなるかもしれない。
山南さんのときのように、何もしないで後悔するわけにはいかない……!」
いつも冷静な斉藤先生は、緊張した表情で平助くんだけを見つめていた。
当時は愚痴もヤケ酒もしなかった斉藤先生も、みんなと同じように、山南先生の死を悲しんでいたんだ……。



