「避けろ!」
総司の声とともに、みんながそこから飛び退く。
けれど、一人だけ足が止まってしまった人物がいた。
「つ……っ」
平助くんだ。
彼が傷ついた肩を押さえ、ゆっくりと敵の方を振り向いた刹那。
どす、と鈍い音がした。
敵の尾が、彼の腹を貫く。
「平助くんっ!!」
全てが瞬きほどの一瞬のことだった。
彼の援護に間に合わなかった仲間の顔色が変わる。
「この野郎!」
駆け寄ってきた皆の剣が、敵の尾をバラバラに切断する。
その間に、平助くんはどっと冷たい地面に倒れ込んでしまった。
「平助くん、平助くん!」
駆け寄り、すぐそばにひざまづく。
「……ぇ、で……」
平助くんの腹に刺さった尾は、本体から切り離され、ぶしゅうと濃い紫色の霧になり、消えていった。
平助くんのお腹には大きな穴が空いていて、そこから次々に溢れた赤が、彼の袴を、地面を濡らしていく。
どうしよう。こんなにひどい怪我じゃ、止血もできない……。



