幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「けど、あれじゃ……」


動きを止めるだけじゃ、とどめが刺せない。


そう思った瞬間、二つの風が敵に向かって飛んでいった。


月光にきらめく白刃を振り上げたのは、斉藤先生と平助くんだった。


──ドッ!


瞬きほどの一瞬で繰り出された斉藤先生の強力な突きは敵の胸を、平助くんの氷の刀は縛られた尾の束を、それぞ貫いていた。


二人が刀を抜くと、敵は言葉にならない短い悲鳴を上げ、絶命した。


敵が、人間の姿に戻る。


「さすがだな」


総司が声をかけると、斉藤先生と平助くんが刀を腰におさめながら、こちらに戻ってくる。


よかった、これで今夜の戦いは終わったんだ……。


ほっと息をついた、その時だった。


「危ない!」


永倉先生の声が飛び、全員がハッとそちらを振り返る。


すると、燃えたはずの敵の尾が、こちらを狙って飛んできていた。