幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「今度こそ、とどめを刺してやるぜ!」


最初に動いたのは、永倉先生だ。


ぎらりと光った彼の刀に、橙色の炎が宿る。


まるで、その刃が今まで吸った人の脂を燃やしているように。


「でぇやぁぁぁあっ!」


永倉先生は、両手で持ったそれを大きく横に振りかぶり、敵の腹に向かって振り払う。


大きな音を立て、真正面からぶつかる、鱗と刃。


普通の人間では歯が立たなかったもののけの鱗に、永倉先生はヒビを入れた。


ぽろぽろと、砕かれた鱗が地に落ちる。


「なっ……なんで……」


敵は驚いたように目を見開き、動きを止める。


すると永倉先生は猫のような口でニッと笑い、止まっていた刀を横に凪いだ。


「燃えろ!」


──ガリガリガリ!


刀と鱗の摩擦が起きる。


そこに、もともとあった炎が引火し、傷口から大きな火が夜空に向かって噴いた。


「ぎゃあああ……」


のたうち回る敵の上半身の着物が、炎で黒く焦げていく。


「残るはお前だけだぜ」


最後の敵に槍を向け、原田先生が言う。