「はは……俺、バカみたいだな……。
伊東さんの論のうまさに易々と騙されてたってわけだ……」
平助くんは本当に、伊東の裏の顔を何一つ知らなかったみたい。
悔しそうな顔を見ていると、こちらの胸も痛くなる。
「平助くん、ここはみんなに任せて、早くお医者様のところに急ごう」
「うん……もう、しんぱっつぁんたちも、大丈夫だよね……」
民家の向こうから聞こえてくる物音はだんだんと小さくなり、今ではだいぶ静かになっていた。
「逃げたやつらを追え!藤堂は沖田に任せて、他のやつを探せ!」
そんな永倉先生の声が聞こえてきて、戦いがあらかた終わったことを悟る。
総司と斉藤先生は平助くんに肩を貸す。
あたしは、お医者様のところへ平助くんを受け入れる準備をしてもらうために先にひとっ走りして向かおうとした。
そのとき……。
「な、なにぃ!?」
素っ頓狂な永倉先生の悲鳴が聞こえてきて、足が止まってしまう。
「どう、したの……?」
「見てくる!」
平助くんと支えている二人の代わりに、あたしはさっきいた民家の間に再度入っていく。
そこから油小路の様子を見ると……。



