他の御陵衛士も伊東を殺された恨みか、生への執着か、必死に抗戦している。
何十人もの隊士に囲まれても、刀を振るい続けていた。
「あっ、平助くん」
ハラハラしながら見守っていたあたしの目線の先に、平助くんが隊士の剣を受けて現れる。
平助くんはその刀を下へ受け流すと、目にも止まらない速さで刀を上段に構えなおすと、敵の刀の峰にまっすぐに打ち下ろす。
撃たれた刀は真っ二つに折れ、先の方が夜空へ飛んでいった。
「今だ、楓」
総司に声をかけられ、うなずく。
「平助くん!」
「か、楓?」
突然名を呼ばれ、ビックリした顔で、大きな目を見開く平助くん。
「早くこっちへ!」
狭い隙間から平助くんの方へと、手を伸ばす。
「楓……」
「平助くん、お願い!」
平助くんは迷っているような、困っているような顔で眉を下げた。
その背後では、相変わらず乱闘の物音が続いている。
「俺……いいのかな……」
平助くんがためらいながらも、こちらに手を伸ばしてこようとする。
もう少しで、指先が触れる。
そう思った瞬間。



