「ああ……土方さんも許してくれるさ。
こいつはここで、絶対に仕留めなきゃならない敵だったしな」
副長も、総司を狼化させることには反対だった。
池田屋以降、山南先生の切腹のときと、あたしを二条城に奪還しにきたとき、それしか狼化していないけれど、やはり心配だからだろう。
「うん……」
「お前たち、しっかりしろ!遺体を油小路まで運べ!」
総司は隊士たちを起こしながら怒鳴る。
「沖田隊長……もしやおひとりで、あの化け物を?」
「ひとりじゃない。最初に深手を負わせた、お前たちの手柄だ」
それ以上の詮索は無用とばかりに、総司はあらかじめ副長に指示されていた通りに、てきぱきと指示を出す。
隊士たちはびくびくしながらも、伊東の遺体を運び始めた。
「いよいよだね」
大変なのは、これからだ。
残った御陵衛士をおびき出し、戦わなければならない。
その中でも、平助くんを……隊士たちにおかしく思われないように、助けて逃がす。
「ああ、失敗は許されない」
総司は短く言うと、ぽんとあたしの肩を叩いた。



