幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「ああ……土方さんも許してくれるさ。
こいつはここで、絶対に仕留めなきゃならない敵だったしな」


副長も、総司を狼化させることには反対だった。


池田屋以降、山南先生の切腹のときと、あたしを二条城に奪還しにきたとき、それしか狼化していないけれど、やはり心配だからだろう。


「うん……」

「お前たち、しっかりしろ!遺体を油小路まで運べ!」


総司は隊士たちを起こしながら怒鳴る。


「沖田隊長……もしやおひとりで、あの化け物を?」

「ひとりじゃない。最初に深手を負わせた、お前たちの手柄だ」


それ以上の詮索は無用とばかりに、総司はあらかじめ副長に指示されていた通りに、てきぱきと指示を出す。


隊士たちはびくびくしながらも、伊東の遺体を運び始めた。


「いよいよだね」


大変なのは、これからだ。


残った御陵衛士をおびき出し、戦わなければならない。


その中でも、平助くんを……隊士たちにおかしく思われないように、助けて逃がす。


「ああ、失敗は許されない」


総司は短く言うと、ぽんとあたしの肩を叩いた。