「近藤先生は、それからますます俺を可愛がってくれた。

心の底では……こんな俺を不憫だと思ってくれたのかもしれないけど」


近藤先生は、俺に言った。


『肌の色や髪の色と同じさ。

宗次郎は人と違うが、それはちっとも悪いことじゃない』


土方さんは最初こそ驚いたようだったが、事情を聞くとすぐに憎まれ口をたたく。


『人狼?どう見ても犬っころだったぞ。

ま、あんまり気にするなよ。

お前がどんな体質だろうが、俺には関係ねえから』


そんな二人に見守られ、俺は必死で剣を究めようと修行をし……今に至る。


「そうか……近藤局長は、本当に総司のお父さんみたいな存在なんだね。

良かったね、総司……」


楓は今にも泣きだしそうな顔で、俺を見上げていた。


「それからは楽しかったな。

原田さんや永倉さん、平助に山南さん、どんどん門人が増えていって……

男ばかりの大家族みたいだった」


「あはは、お父さんが局長でお母さんが副長?」


「そうそう。鬼母が子に飲ますのは乳じゃなくて、血だという……」


「やめてっ、もののけみたいな話は!怖いから!」