幕末オオカミ 第二部 京都血風編



……というわけで、久しぶりの女装をしてきました。


屯所では基本男装だから、女装の方がもし御陵衛士に会っちゃったときも気づかれにくいだろう。


「さて、じゃあ基本の聞き込みから参りましょうか」


坂本が暗殺されたのは11月15日。一昨日のことだ。


「二日前、現場近くで伊東さんを見た人がいなかったか……」


暗殺現場の遺留品は、刀の鞘意外に、下駄が二足あったという。


その焼印から、下河原と二軒茶屋の料亭のものだということがわかった。


二軒とも、伊東派がいる高台寺の月真院のすぐ近くで、近江屋までの途中にある。


「よし、行ってみよう」


あたしはまず下河原の店の方に向かった。


台所の近くの壁に寄り、耳をぴたりとつける。


「……お客さんなんかおりすぎてわからへんっちゅうのになあ……」


女中の声が、微かに聞こえてくる。


「犯人はどうせ、新撰組やろ?あの不良浪人ら」


これは……もしかしなくても、坂本暗殺の話題?


くっそー、誰が不良浪人だ。今は幕臣だっちゅうの。