幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「あ、ええと、ほら……上様がけっこうしんどそうだったから……」


総司だって隊務や稽古があるし、もののけと連絡を取りあわなきゃいけないし、上様の元には通わなきゃいけないし……。


心を許せる平助くんや斉藤先生は、御陵衛士になってしまったし。


考えるほど、暗い気持ちになってしまう。


そんなあたしの頭に、総司は空いている方の手をぽんと乗せてつぶやいた。


「俺にはお前がいるから……じゅうぶんすぎるくらい、幸せだ」

「へっ?」


聞きなれた声が紡いだ、信じられない言葉に驚く。


「行くぞ」


顔を見ようとすると、ぐいと手を引っ張られた。


これは……照れてるんだな。何も聞き返さないでほしいってことだね?


あたしは黙って、総司と一緒に歩き出した。





総司……あたしもね。

そんなふうに言ってくれるあんたと居られて、とても幸せだよ。