「あ、ええと、ほら……上様がけっこうしんどそうだったから……」
総司だって隊務や稽古があるし、もののけと連絡を取りあわなきゃいけないし、上様の元には通わなきゃいけないし……。
心を許せる平助くんや斉藤先生は、御陵衛士になってしまったし。
考えるほど、暗い気持ちになってしまう。
そんなあたしの頭に、総司は空いている方の手をぽんと乗せてつぶやいた。
「俺にはお前がいるから……じゅうぶんすぎるくらい、幸せだ」
「へっ?」
聞きなれた声が紡いだ、信じられない言葉に驚く。
「行くぞ」
顔を見ようとすると、ぐいと手を引っ張られた。
これは……照れてるんだな。何も聞き返さないでほしいってことだね?
あたしは黙って、総司と一緒に歩き出した。
総司……あたしもね。
そんなふうに言ってくれるあんたと居られて、とても幸せだよ。



