「近藤には新撰組をまとめるという大役があるだろう。
本当は近藤がほしいが、沖田で我慢してやる……といえば、あの純朴な男は泣いて喜ぶだろう」
上様の目が、以前会ったときのように、意地悪く光る。
「それにお前は新撰組隊士である前に、もののけの頭領だろう」
そう言われると、総司は不愉快そうに眉間にシワを寄せた。
局長を見下され、本意ではないもののけの頭領と言われ、おもしろくないんだろう。
「……では上様、とりあえず二条城に俺と楓が通うということでいかがでしょうか。
俺がいない間は、引き続き銀月に任せるということで」
総司が出した妥協案に、上様はうなずく。
「そうだな。特に昼間はもののけの力が弱くなるから、銀月よりお前の方が助かるかもしれん。
近藤にはこちらからも話を通しておく。ではよろしくな」
どうやら、上様も京にいる間は焦るつもりはないようだ。
「さて、話はついた。では島原にでも行ってくるか」
上様はスケベな顔でニヤリと笑うと、総司と銀月さんを見る。
「人間の女はどうだ?一緒に行くか?もののけらよ」
「いえ、俺は、こいつ以外はいらないので」
『私も、人間には興味がありません。護衛としてはついていきますが』
「そうか、つまらん」
そう言うと、上様はすたすたと歩きだした。



