幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「おのれ、小僧……!」


後ろにいた男たちがあたしをにらむ。


「今のうちに逃げてください!」


上様の方を振り向くと、そちらからも別の男が二人現れた。


「逃げられると思うなよ」


最初に話しかけてきた男たちと同じ言葉のなまりがある。


きっと、こいつら仲間だ。追いはぎをしようと、獲物が来るまでこの道で待っていたんだろう。


困った。上様を助けなきゃいけないのに、前後を挟まれてしまった。


こめかみを冷たい汗がつたっていった、そのとき。


「何をしている!そのお方がどなたか知っての上の狼藉か!」


聞きなれた低音が、空気を震わせる。


最初に話しかけてきた浪士たちがハッと後ろを振り向くと、そこには総司が。


「おめえ……新撰組の沖田か!?」

「うるせえ!身の程をわきまえろ!」


殺気だった総司に一瞬ひるみながらも、浪士達は総司に斬りかかる。


総司は初太刀を受けると、力を込めてそれを跳ね返す。


浪士がよろけたところに、強烈な突きをひとつ。


体を貫通した刃が、後ろの男たちに血しぶきを雨のように降りかける。