「おのれ、小僧……!」
後ろにいた男たちがあたしをにらむ。
「今のうちに逃げてください!」
上様の方を振り向くと、そちらからも別の男が二人現れた。
「逃げられると思うなよ」
最初に話しかけてきた男たちと同じ言葉のなまりがある。
きっと、こいつら仲間だ。追いはぎをしようと、獲物が来るまでこの道で待っていたんだろう。
困った。上様を助けなきゃいけないのに、前後を挟まれてしまった。
こめかみを冷たい汗がつたっていった、そのとき。
「何をしている!そのお方がどなたか知っての上の狼藉か!」
聞きなれた低音が、空気を震わせる。
最初に話しかけてきた浪士たちがハッと後ろを振り向くと、そこには総司が。
「おめえ……新撰組の沖田か!?」
「うるせえ!身の程をわきまえろ!」
殺気だった総司に一瞬ひるみながらも、浪士達は総司に斬りかかる。
総司は初太刀を受けると、力を込めてそれを跳ね返す。
浪士がよろけたところに、強烈な突きをひとつ。
体を貫通した刃が、後ろの男たちに血しぶきを雨のように降りかける。



