幕末オオカミ 第二部 京都血風編



そう言うと、平助くんは何かをふりきるように、いつもの笑顔を作りなおした。


「これが今生の別れってわけじゃないよ、たぶん。

生きていれば、また会える」


「うん……」


「元気でね!」


平助くんはそう言って笑うと、ぎゅっとあたしを抱きしめた。


いつもなら、殴ってでもすぐに離れるんだけど……今はどうしても、そういう気にはなれなくて。


あたしはおずおずと平助くんの背中に手を伸ばし、彼を抱きしめ返した。


そのまま、ゆるゆると体の力を抜いて、平助くんの肩に自分の頭をあずけて、じっとしていた。


平助くんの温かな笑顔を忘れないように。


あたしたちの仲間として過ごしてきた時間を、胸に刻み付けるように。






その数日後、舞い散る桜の中……。


伊東派と平助くんと斉藤先生は、御陵衛士として、新撰組の屯所を去っていった。