幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「ごめんね、勝手に決めちゃって」


「平助くん……」


「俺実はさ、土方さんが山南さんを切腹させたことに、まだ不満を持ってるんだよね。
山南さんはああ言ってたけど、助けたあとでもう一度説得するって手もあった気がするんだ」


山南先生は、自分で切腹を望んだ。

土方副長は、その望みをかなえた。


そんな単純なものじゃなかったのは、わかるけど……。


「そもそも、山南さんが怪我をした、あの六角獄の件。
話に聞いただけだけど……幕府の腐敗も末期なのかなって思ってたんだ」


平助くんの顔が、だんだんと暗くなっていく。


禁門の変で起こった火事の中、罪人を逃がさずに残酷な方法で処刑した幕府。


たしかに、あれはひどかった。


思い出すだけで、獄舎に充満していた血の匂いが甦る。


しかもあの火事、一橋公が焦って強風の日に長州藩邸に火を放ったりしたから……。


そう考えていくと、自分の戦う意味まで見失いそうだった。


「でも、俺も土方さんや総司と一緒で、近藤さんは大好きだったからさ。

あの人の力になれるならと思って、今までがんばってきたけど……伊東さんの大開国論に、今は賭けてみようかなって」