思わぬ人との再会を喜んでいる暇もなく……京都守護職・松平容保様に厚い信頼を寄せてくれていた孝明天皇が年末に崩御し、翌年すぐに、わずか14歳の明治天皇が即位した。
将軍に天皇の続いての不幸に、世間だけでなく、新撰組隊内も揺れていた。
槐が教えてくれた情報を副長に伝えると、伊東派の調査をする監察の人数が増やされることになった。
それに気づいたのかどうか、翌月2月(現暦3月)に、伊東参謀とその部下の新井さんは九州遊説の旅に出ることに。
翌月には戻ってきた伊東参謀だけど、監視のためにこっそりついていった山崎監察から、とんでもない情報が局長と副長にもたらされた。
「どうやら伊東派は、新撰組を乗っ取るのではなく、分離が目的のようです」
「分離だって?」
山崎監察が言うには、伊東派は遊説中に土佐の中岡慎太郎や真木外記と面談し、京都の現状や、攘夷について話をしたという。
その中で、参謀は新撰組からの分離について語ったらしい。
「伊東派と、彼らに賛同する隊士を連れ、他の組織を作るということです。
旅に出る前に、既に決心していたものと思われます」
「……そうか……」
自分で参謀を新撰組に招き入れた局長は、落ち込んでしまったようで、がっくりと肩を落とした。



