「あんた……陽炎様が言っていたとおり、忍としては二流……いや、三流だね。
驚きすぎでしょ」
軽蔑するような目で見られ、身が縮むような思いがする。
その通りです、すみません……。
「どうしてここに?」
もう会うこともないって、言っていたのに……。
じっと槐を見つめると、彼女はふうと小さなため息をついた。
「言い忘れていたことを思い出してさ」
「えっ?何を?」
「……あんたさ、身内に気をつけた方がいいよ」
槐の言葉の意味が一瞬わからず、ぽかんとするあたし。
「身内って……もしかして……」
伊東一派のこと?
あたしが視線で尋ねると、槐はこくりとうなずいた。
「思い出したんだけど、あいつらといた偉そうなやつが、宴会で山南にあたしを強烈に売り込んだんだよね」
「え……」
「自分の一派じゃなく、近藤に近い人物を、あたしに押し付けてきたんだ。
あたしは都合が良かったから疑問に思わなかったけど、山南の総長という位を考えたら、もっとこなれた美人の遊女をあてがうのが普通じゃないか?」
槐は小声だけど、周りに不審がられないように口角を上げて話す。
あたしも、彼女とまるで友達と話すように、うんうんと大げさにうなずきながらそれを聞いた。



