幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「あんた……陽炎様が言っていたとおり、忍としては二流……いや、三流だね。
驚きすぎでしょ」


軽蔑するような目で見られ、身が縮むような思いがする。


その通りです、すみません……。


「どうしてここに?」


もう会うこともないって、言っていたのに……。


じっと槐を見つめると、彼女はふうと小さなため息をついた。


「言い忘れていたことを思い出してさ」


「えっ?何を?」


「……あんたさ、身内に気をつけた方がいいよ」


槐の言葉の意味が一瞬わからず、ぽかんとするあたし。


「身内って……もしかして……」


伊東一派のこと?


あたしが視線で尋ねると、槐はこくりとうなずいた。


「思い出したんだけど、あいつらといた偉そうなやつが、宴会で山南にあたしを強烈に売り込んだんだよね」


「え……」


「自分の一派じゃなく、近藤に近い人物を、あたしに押し付けてきたんだ。

あたしは都合が良かったから疑問に思わなかったけど、山南の総長という位を考えたら、もっとこなれた美人の遊女をあてがうのが普通じゃないか?」


槐は小声だけど、周りに不審がられないように口角を上げて話す。


あたしも、彼女とまるで友達と話すように、うんうんと大げさにうなずきながらそれを聞いた。