幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「お久しぶりです、土方副長。頭領はどこにおられますか?」


「道場だと思うが」


「かたじけない」


銀月さんは総司に挨拶だけしていくと言い、その場から去っていった。


「じゃあ、あたしも……」


そろりと一歩を踏み出そうとしたとき、口から離されていた副長の手が、あたしの手首をがしっとつかんだ。


「ちょっと来い」


こ、これは……お説教の前触れ?


副長は眉間にしわを寄せ、険しい顔をしている。


逆らえば切腹だと思い、おとなしくとぼとぼと副長室についていくことに。


副長は部屋に入るなり、あたしに斉藤先生のように結界を作らせた。


外に声が漏れないようにするためだよね?いったい何の話なんだろう……。


「例の任務はどうなっている?」


向かい合って座ると、副長は腕を組んであたしを怖い顔で見下ろした。


「例のって……伊東参謀の調査ですか?

すみません、特に報告するようなことはないんですけど」


山南先生の一件には、結局参謀がからんでいたのかどうかわからないまま。


その後も、特に不穏な動きはない。