幕末オオカミ 第二部 京都血風編



次の日……

庭の植木に水をやっていると、突然首根っこをつかまれた。


『おい宗次』


『歳三さん……!?
僕は宗次郎ですけど……』


『んなこたどうでもいいんだよ。
ちょっと付き合え』


と言った土方さんは、剣道の胴着や防具をつけていて……悪い予感しかしなかった。


『でもっ、仕事が……』


『おかみさんになら、ちゃんと許可をとった』


……なんてこと。


仕事には厳しいおかみさんを、どうやっていいくるめたんだろう。 


やっぱりこの人、信用できない。


しかし首根っこをつかまれたやせっぽちの俺は、抵抗虚しく土方さんに連行されてしまった。


連れていかれたのは、やっぱり道場で……。
 

心の準備ができていたせいか、吐きはしなかったけど……ドキドキと、緊張で胸が高鳴った。


『勝ちゃん!一本相手してくれよ!』


近藤先生が振り向く。

他の門人は久々の土方さんの登場にわきたった。


当時の土方さんは行商の合間にしか来られなかったからだ。