その数日後、暑さを増していく屯所に、思わぬ来客があった。
「松本さん!」
「おお、楓。
例の手続きが無事終了したから、今日はその挨拶に参った。
もう君は俺の娘だから、呼び捨てにさせてもらうぞ」
ということは……上様が言っていた通り、本当に私を養女にしてくれたんだ。
「ありがとうございます!
どうぞ、お茶でも飲んでいってください」
「いや、これから広間で、隊士の健康診断をするんだ。
のんびりできるのは、その後かな」
「えっ、そうなんですか?」
健康診断かあ。
そういえば、去年の池田屋のときは病人ばかりで大変だったもんね。
松本さんに見てもらえるなんて、幸運だ!
「上様にも、新撰組の様子を見てくるように言われてるんだ。
さあ、みんなを集めて」
「はいっ」
あたしは屯所内にいたみんなを広間に集め、松本さんのお手伝いをすることになった。
「なんだ?あのタレ目の医者」
初めはそう言っていた隊士たちも、一目見ただけで相手の不調箇所を言い当てる松本さんに、次第に感心していった。



