幕末オオカミ 第二部 京都血風編



その数日後、暑さを増していく屯所に、思わぬ来客があった。


「松本さん!」


「おお、楓。

例の手続きが無事終了したから、今日はその挨拶に参った。

もう君は俺の娘だから、呼び捨てにさせてもらうぞ」


ということは……上様が言っていた通り、本当に私を養女にしてくれたんだ。


「ありがとうございます!

どうぞ、お茶でも飲んでいってください」


「いや、これから広間で、隊士の健康診断をするんだ。

のんびりできるのは、その後かな」


「えっ、そうなんですか?」


健康診断かあ。


そういえば、去年の池田屋のときは病人ばかりで大変だったもんね。


松本さんに見てもらえるなんて、幸運だ!


「上様にも、新撰組の様子を見てくるように言われてるんだ。

さあ、みんなを集めて」


「はいっ」


あたしは屯所内にいたみんなを広間に集め、松本さんのお手伝いをすることになった。


「なんだ?あのタレ目の医者」


初めはそう言っていた隊士たちも、一目見ただけで相手の不調箇所を言い当てる松本さんに、次第に感心していった。