幕末オオカミ 第二部 京都血風編



夜の巡察までにまだ時間があったので、総司と二人、京の街をぶらぶらする。


風車や冷やし飴を売る出店が並んでいる通りに、一際華やかな一角があった。


そこでは、京らしい繊細な細工がされたかんざしや手鏡、色とりどりの香り袋や巾着などの小物が並んでいた。


町娘たちが目を輝かせ、お気に入りの品を見つけようとしている。


「すごいねー」


何の気なしに言うと、総司は足を止める。


「見ていくか?」


「え?ううん、いいよ……」


そりゃあちょっとは見たいけど、今あたし男装だし。


男二人で並ぶのはちょっと変じゃない?


「いいから、ちょっと来いよ」


総司はそう言うと、ぐいとあたしの手を引っ張った。


いきなり長身の総司が現れたせいで、商品が見えなくなってしまった娘さんににらまれる。


けれど、総司の整った横顔を見るなり、娘さんはぽっと頬を赤く染めた。


ちっ、総司め……自分の見た目の威力、わかってないんだろうな。