幕末オオカミ 第二部 京都血風編



『……黒ヒラメみてえな顔だな』


がーん!!


たしかに少し色は黒いし、目も少し離れているけど……。


なんで初対面でそんなこと言われなきゃならないんだ?


幼い俺は、正直にむっとした。 


『で、宗次郎。

おめえどうしてそんなに小せえのに、下働きなんかしてんだ?

家が貧乏なのか?』


『トシ!

……宗次郎、気にするなよ。

こいつはうちの門人で、俺の友人なんだ。

遠慮がなくていけねえな』


ほんとだよ。


男前で口がうまいから、みんなだまされてるんだ。


ほんとは意地悪に違いない。


寝ることを許された俺は、土方さんと目を合わせないように部屋を出ていった。


『歳三さん、いつまでいるのかな……早く帰ればいいのに』


遅くまで酒を飲んで盛り上がる二人の声がして、俺はなかなか眠れなかった。