『……黒ヒラメみてえな顔だな』
がーん!!
たしかに少し色は黒いし、目も少し離れているけど……。
なんで初対面でそんなこと言われなきゃならないんだ?
幼い俺は、正直にむっとした。
『で、宗次郎。
おめえどうしてそんなに小せえのに、下働きなんかしてんだ?
家が貧乏なのか?』
『トシ!
……宗次郎、気にするなよ。
こいつはうちの門人で、俺の友人なんだ。
遠慮がなくていけねえな』
ほんとだよ。
男前で口がうまいから、みんなだまされてるんだ。
ほんとは意地悪に違いない。
寝ることを許された俺は、土方さんと目を合わせないように部屋を出ていった。
『歳三さん、いつまでいるのかな……早く帰ればいいのに』
遅くまで酒を飲んで盛り上がる二人の声がして、俺はなかなか眠れなかった。



