幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「いや、楓のおかげでもう体調は万全だぞ?」


「けれど、またいつご病気になられるとも……」


「そうだ。お前の胃痛は、気鬱から来るのかもしれんと松本が言っていたではないか。

この時勢、お前にかかる負担は増えることはあっても、減りはせんのだぞ?」


慌てた様子で上様を説得しようとする二人。


二人とも、上様が心配でしょうがないんだ……。


「余は大丈夫だ。離れていても、御台がいつでも余の心を支えてくれている。

すぐに倒れることはあるまい」


「上様……」


澄んだ瞳でそう言われると、二人はもう反論できないようだった。


「しかし楓、緊急の場合は頼むぞ。

余を裏切れば、新撰組幹部の命はないと思え」


「……はい!」


こくりとうなずくと、上様は総司の方を向く。


「沖田総司。

お前のもののけの軍隊、譲り受けよう。

しかし戦になったときの指揮は、お前が執るがいい。

余は人間をまとめるだけで精一杯だからな」


「はっ」