「いや、楓のおかげでもう体調は万全だぞ?」
「けれど、またいつご病気になられるとも……」
「そうだ。お前の胃痛は、気鬱から来るのかもしれんと松本が言っていたではないか。
この時勢、お前にかかる負担は増えることはあっても、減りはせんのだぞ?」
慌てた様子で上様を説得しようとする二人。
二人とも、上様が心配でしょうがないんだ……。
「余は大丈夫だ。離れていても、御台がいつでも余の心を支えてくれている。
すぐに倒れることはあるまい」
「上様……」
澄んだ瞳でそう言われると、二人はもう反論できないようだった。
「しかし楓、緊急の場合は頼むぞ。
余を裏切れば、新撰組幹部の命はないと思え」
「……はい!」
こくりとうなずくと、上様は総司の方を向く。
「沖田総司。
お前のもののけの軍隊、譲り受けよう。
しかし戦になったときの指揮は、お前が執るがいい。
余は人間をまとめるだけで精一杯だからな」
「はっ」



