幕末オオカミ 第二部 京都血風編



おかみさんは土方さんを見るなり、聞いたことのない嬉しそうな声を出した。


俺は言いつけられるまま、土方さんの荷物を運んだり、膳を整え、風呂を沸かす準備をしていた。


その間、近藤先生と土方さんはとても親しそうに色んな話をしていた。


『こんなに笑う勝太さんを、初めて見たかも……』


当時の土方さんは薬の行商をしていた。


男前で、口がうまくて、冗談ばかり言って……。


俺よりはるかに近藤家のみんなに愛されていることが、ひしひしと伝わってきた。


『いいなぁ……』


自分も男前になって、薬の行商人になろうかな。


でも薬屋はともかく、男前って、どうすればなれるんだろう?


真剣に考えながら仕事をしていると、
不意に声がかけられた。


『勝ちゃん、あのくるくる動いてるチビは何だ?』


『ああ、最近下働きで入った宗次郎だ。

可愛いだろう?俺の弟みたいなものだ』


か、勝太さん……!


弟みたいと言われ、嬉しくて胸が熱くなった。


……のに。