おかみさんは土方さんを見るなり、聞いたことのない嬉しそうな声を出した。
俺は言いつけられるまま、土方さんの荷物を運んだり、膳を整え、風呂を沸かす準備をしていた。
その間、近藤先生と土方さんはとても親しそうに色んな話をしていた。
『こんなに笑う勝太さんを、初めて見たかも……』
当時の土方さんは薬の行商をしていた。
男前で、口がうまくて、冗談ばかり言って……。
俺よりはるかに近藤家のみんなに愛されていることが、ひしひしと伝わってきた。
『いいなぁ……』
自分も男前になって、薬の行商人になろうかな。
でも薬屋はともかく、男前って、どうすればなれるんだろう?
真剣に考えながら仕事をしていると、
不意に声がかけられた。
『勝ちゃん、あのくるくる動いてるチビは何だ?』
『ああ、最近下働きで入った宗次郎だ。
可愛いだろう?俺の弟みたいなものだ』
か、勝太さん……!
弟みたいと言われ、嬉しくて胸が熱くなった。
……のに。



