幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「何でも、とは言えぬが、望みは極力叶えてやる。

余の傍におれ。今度は、離れないように……四六時中、一緒だ」


大真面目な顔で、上様はあたしに言った。


でも、四六時中って?なんで?


御台様だって、基本は自室にいる。


今みたいな出張のときも、江戸城で留守番しているのに……。


「……正直に言いましょう。上様は今、体調が芳しくない」


ぼそりと言ったのは、松本さんだった。


彼の浮かない表情を見ると、どうやら本当のことを言っているんだろう。


「それで、あたしをお探しに……」


とうとう、あたしの血が必要とされる時がきたんだ……。


じっと見つめると、たしかに上様の顔色は血色が悪く、疲れがにじみ出ているみたい。


「松本が手を尽くしてくれているんだが、すっきり治らんのだ」


怒っていた一橋公が、上様を心配そうに見つめる。


「いったい、どちらがお悪いので?」


おそるおそる聞くと、松本さんが深いため息をつく。


「それがわからないので、あなた様を探したのです」


「わからないって……」


「他言無用ですぞ」


松本さんは念を押すと、上様の病状を説明してくれた。