「それは……もしや、岡崎一族のくノ一からですか?」
「ああ。岡崎とは手を切った後だったから、ニセの情報ではと思い、調査させてもらった」
やっぱり、槐が幕府に通報したんだ。
本当は自分で新撰組やあたしに復讐したかったけど、それがかなわなかったから……確実に新撰組をつぶせる手段に出たんだろう。
胸が不規則に鳴り、冷汗が背中を流れた。
「その結果、お前が新撰組にいるということがわかり、この上洛の機会に会わなければと思ったんだ」
「生ぬるいぞ、慶福」
一橋公が厳しい声で言う。
慶福って、家茂様の幼名だっけ?
まあ、一橋公は将軍の後見職もやってたし、幼いころから知っているんだよね。
「こやつは、大奥から脱走した罪人だ。
血のことがあるから斬首にはできないが、今すぐそれなりの罰を与えるのが普通だろう。
もちろん、匿った新撰組にもだ」
一橋公の強請るような口調に、びくりとする。
あたしは仕方ないけど、新撰組にも罰を与えるつもりなの?
「でもっ、新撰組の人たちはあたしが大奥から来たなんて知らないんです!
どうか、罰はあたしだけに……」
咄嗟に嘘をつくと、上様は残念そうにため息をついた。



