幕末オオカミ 第二部 京都血風編



耳元でそう囁いた低い声に身を震わせると、総司があたしを押し倒した。


四つん這いになり、あたしの両手を拘束し、乱暴に口付ける。


まさか、まだ明るいのに……。


反論する暇もなく、口付けを繰り返されながら、帯をほどかれてしまう。


声を出さないように噛んでいた唇を、長い指でそろりとなぞられる。


「……誰もいないんだから、大丈夫だ。声、出せよ」


たしかに幹部はいないけど、他の隊士が用事で来ないとも限らない。


だからダメだと思うのに、触れられた箇所から、全身の力が抜けていく。


「そ、う……」


本当に嫌なら、殴ってでもこの腕の中から抜け出してやるのに。


そうはできなくて、結局すべてを彼にゆだねてしまう。


好きだから。大好きだから。


本当はずっとこうしてくっついていたいけど……どうしても不安が消えないの。


どうしてなのか、今やっとわかった気がする。


総司の枷になりたくないとか、新撰組の迷惑になりたくないって気持ちはたしかにある。


けれど、本当は……

いつか、あんたに嫌われて……いらないって言われるのが怖いんだ。


こんなに臆病なあたしでごめんね、総司……。