幕末オオカミ 第二部 京都血風編



夕方になり、暑さが少し和らいできたころ。


あたしと総司は並んで窓辺に座り、まだ明るい窓の外の光がだんだんと茜色に染まっていくのをぼんやり見ていた。


「もう、みんなは二条城かな」


今夜から交代で、将軍が下阪するまで二条城の警備につくと、局長が言っていた。


「さすがに、もう着いただろうな。
近藤先生はお偉いさんたちと飯でも食うんだろ」


団扇をぱたぱたさせて、総司が遠くを見るような目をする。


「……やっぱり、一緒に行きたかった?」


留守番なんて、総司のガラじゃないもん。


一緒にお城に入ることはできなくても、近藤先生の晴れ姿を、もっと近くで見ていたかったよね。


「ん?まあ、はりきる近藤先生は見たかったけどな。

それ以外は特に興味ねえよ」


「そうなの……?」


「俺は上様のために働いてるとは思ってねえから。

俺の主君は近藤先生だし、それに……」


総司はふとこちらを見て、ぼそりと言った。


「お前に寂しい思いをさせて守ってくれなかった男のことを、なんで俺が守らなきゃならねえんだよ。

ま、そのおかげで俺が楓に会えたわけだが」